桜葬通信8 January 2007 vol.8

  第2回桜葬メモリアル
  3月31日(土)開催決定!

 桜の花の下でお会いしましょう。   少し気が早いですが、もうすぐ桜の季節を迎えます。今年、第2回となる桜葬メモリアルは、3月31日(土)に開催が決定、上野千鶴子さんをゲストにお迎えします。 会員の皆さんからの熱烈ラブコールにお応えいただき、うれしいことです。
 上野さんは3年前、中西正司さんと共著で『当事者主権』という本を出されました。中西さんは1986年、日本ではじめて障害者の自立生活センター、ヒューマンケア協会を八王子に設立した方です。自立生活センターとは、障害者の権利擁護運動と具体的なサポート事業の両方をおこなうところで、目的は重度障害者が自信を持って地域で介助を受けながら暮らし、移動し、社会参加できるような地域社会づくりです。
 中西さん自身、大学生のとき交通事故に遭い、四肢まひとなり、施設入所を経て地域で自立生活を始めますが、多くの仲間を施設に残してきたことで、いつの日か誰も が地域で自由に暮らせるように、との思いで活動してきたそうです。かつて自分で進路を決めようと思ったとき、専門家である医師に拒絶された経験があり、障害者つま り当事者が「自分のことは自分で決める」ことができる社会をめざしたのです。
 上野さんの女性学もまた、「私のことは私が決める」という当事者の実践から生まれたものです。エンディングセンターも、自分の終末期や死後のことを自分で決める、当事者主権の考え方をベースに、死と葬送を学び合い、支え合う市民団体です。
 今年も桜の花の下に集い、上野千鶴子さんを囲んで、今を生きるためのあれこれを語り合いましょう。



  エンディングセンター全国「桜葬」ネットワーク  住職日記

宗教アレルギー/千葉 真光寺住職 岡本和幸
 最近は、無宗教です、戒名はいらない、といわれる人が増えているようです。そうした方々とお話すると、宗教や戒名についてほとんど何も知らない方が多いようです。宗教的な経験や知識がないままマスコミ等が流すマイナスのイメージの影響で宗教アレルギーになっている方も多いように感じます。これは正しい仏教をより多くの方に伝えるための努力を怠り、戒名を金儲けに結び付けてしまった僧侶の責任でもあります。
 無宗教という主張自体も考えようによっては一種の宗教です。一つの視点にこだわるあまり、目の前にある豊かな世界を自ら狭めてしまうのは、とてももったいないことのように思います。
 真光寺は里山にある小さなお寺です。これまでは檀家さんや地域の方々とのおつき合いが中心でしたが、今回樹木葬墓地を作ったことで、たくさんの方々とのご縁が拡がりつつあることを実感しています。この機会に、ひとりでも多くの方に仏教やお寺に対して親しみを持っていただけるよう、努力していきたいと思っています。
 千葉県袖ヶ浦市川原井634
  電話/0438-75-7414

「里山再生五百年計画」とジュンベリー/千葉 天徳寺住職 二神成尊
 天徳寺の樹木葬会員も180名を超えた。私も樹木葬地の入口付近に墓標としてジュンベリーの苗木を植えた。しかし花壇に植えたブルーベリーのほうが紅葉がすばらしく、実も美味しい。今、植え替えようかと悩んでいる。
 ジュンベリーの墓所を見るたび、この墓地が雑木林として存続し、近隣の荒れた里山が限りなく再生されていくことを願い、「里山再生五百年計画」を今年会員に報告する。契約金を基金として積立し、国債等の安全な資産運用で山林保護活動を数百年単位で継続するという夢のような計画がその根幹となる。
 今後、樹木葬地は各地に生まれ、天徳寺を希望する人は減る。新規の契約で経費をまかなえなくなり、せっかく再生された雑木林はまた荒れ果てる。「その日には私を含め会員は死んでいるから、それでいいじゃないの」という意見もあるが、子どもや孫が同じ木の下で眠ることを希望する人もある。その時、木がないのでは申し訳ない。
 それに新規の樹木葬会員がなくても、里山再生を目的とする樹木葬には事業終了はない。しかし、待てよ。もし後任が基金を横領したり銀行が倒産したらせっかくの計画も水の泡。などど取り越し苦労に尽きない日々が続く。ジュンベリーの下で安心して眠るにはもう少し時間が必要のようだ。
千葉県いすみ市大原山田1886 
電話/0470-66-1258

看取りのNPO法人/「なごみの里」 大阪 大蓮寺住職 秋田光彦
 個別の死そのものにかかわる、看取りのNPOが登場している。高齢化率日本一の島根県の隠岐島、その離島の知夫里島で、看取りの実践と支援を行うNPO法人「なごみの里」もその一つである。その里には18畳2間に4床の家があり、24時間の看取り介護に取り組んでいる。
 代表者である柴田久美子さんの講演を聞きに、11月に島根に向かった。「無縁の医師や看護師に簡単に最期を引き渡すのでなく、その人の望む死を守る社会をつくりたい」という言葉通り、柴田さんは「死の文化」を次の世代に伝えるため、日夜努力を重ねている。その姿勢と行動に、感動した。現実の末期のケアにおいて、制度やサービスが充実すれば人は幸せに最期を迎えるわけではない。そこに立ち向かうためには、当事者にも支援者にも、スピリチュアルな感性やパーソナリティが不可欠であることを痛感した。
 「地域における看取り」は究極のエンディングサービスである。それはシステムと資本があれば完成するのではない。そこにかかわる人々の「宗教的人格」をいかに涵養するのか、スピリチュアル・グロウ(霊的成長)も大きな課題だと思う。
 「幸せな死を見守るからこそ、幸せな人生を過ごす大切さが若者に伝わる。高齢者は宝」と柴田さんは言う。宗教は、布教や教化だけが目的なのではない。死を見つめながら、いかに地域における医療や福祉、教育の再聖化を掘り起こしていくのか。いわば宗教的な公共世界をめざすことが、私たちの願いの極点である。
 大阪市天王寺区下寺町1-1-30 
電話/06-677-0113

寺子屋トーク第48回 暮らしの中の終末期を考える〜微笑みで開く地域の看取り 2007年2月18日(日)13:30〜17:00 会場 應典院本堂
ゲスト/柴田久美子さん(NPO法人なごみの里代表)、今井信行さん(いまい内科クリニック)、秋田光彦(大蓮寺住職)
参加費1500円(学生・会員1200円)申し込み先/應典院06-6771-7641 info@outenin.com

成就院樹木の墓祈願の文/神奈川 成就院住職 鳴海善通
 大宇宙の生命の象徴である御仏大日如来をはじめ多くの仏さま方、成就院をお守りくださる八幡大菩薩をはじめとする神々へ、申し上げます。万物の要素は我々の世界に満ち満ちて仏さまが衆生救済を願う御意志は、陽光のごとく明白に全世界を照らし、それは過去から現在、未来にまでわたり普遍です。もし私たちが思い立って行動するならば神仏のお導きに気づくはずです。宗祖大師は「山川草木ニ悉ク仏性有」と説かれ《生きとし生けるものすべての命は一つの世界から発生し、その使命が完結したとき、またもとの世界に還るのだ》と教えます。
 成就院は樹木のお墓を造立し、生命の完結に備え、人生の安心に貢献する事に使命を見出しました。埋葬された墓地は植樹され、その生を顕彰し、四季を追って咲く花はその命を継承します。ご来迎の神仏、我等が願うのは《みたま》となられた方々のやすらぎと、無事生命世界にお還りになられることなのです。どうぞご加護を。そして、すべてに安心あれ。
平成十八年 晩秋 吉日

 樹木の墓に納骨の儀。祈願の文を奉読し、みたまの安寧を祈ります。故人が生前望まれた如き青空のもと。ご参列の方々と共に、さわやかにみたま送りは完了いたしました。
    神奈川県茅ヶ崎市甘沼473 電話/0467-52-6704

桜で埋めつくされる日/山口県萩市 宝宗寺住職 三上隆章
 昨年は樹木葬全体で一昨年の2倍ぐらいの契約者がありました。しかし桜葬共同墓所はあまり人気がないので、少し整備をして、個人墓で桜を植えていただく桜葬を来年から募集しようと思っています。半径2mの円内で、契約料は百万円を予定しています。桜がお好きな方、ゆったりしたスペースの欲しい方にお勧めしたいと思います。
お花見のできるスペースなども設けるつもりです。本堂裏東南向き斜面を「樹木葬」の区画とし、南西向きの斜面を「桜葬」区画とします。続いていますが、お互いの区画は見通せません。上から見下ろすと両方見える場所もありますが。桜葬区画はおよそ1000?ぐらいです。桜で埋め尽くされる日を夢見ています。
山口県萩市福井上1927 電話/0838-52-0521

初冬の桜葬墓苑/鳥取 正福寺住職 渡辺大修
 正福寺の桜葬墓苑は、日本海から吹き込む冷たい北風に抗して、春を準備する静かな眠りに入っています。また桜の枝々には、たくさんの花芽がその時を待っています。
周辺には、苔が植えられ、落ち着いた墓苑となって、納骨された故人を優しく抱いて大自然の悠久の時へ誘っているかのようです。先日、お参りされた方は、「春が楽しみですが、冬の墓苑もとても好きです。時が止まり、日常が消え、風の声と心ゆくまで語らいをすることができました」と話されていました。
 桜葬墓苑に隣接する樹木葬墓苑では、千両・万両の赤い実が彩りを添え、山茶花が咲き、椿の蕾が色づいてきました。花壇にはアンネのバラが、まだたくさんの花を咲かせ、冬桜が小さな花を精一杯開いています。今年もあとわずかとなりましたが、桜葬・樹木葬墓苑を開苑して9ヶ月。この間、多くの方と新しい縁を結ぶことができ、充実した年となったことを感謝します。
12月13日、大山の麓、正福寺より
鳥取県西伯郡大山町茶畑238 電話/0859-54-3860


編集:エンディングセンター桜葬プロジェクト 発行:井上治代