桜葬通信9 March 2007 vol.9

  満開の桜の下で―― 第2回桜葬メモリアル
  3月31日(土)開催

 あなたが生きたこと
 桜は忘れない
 この言葉がエンディングセンター桜葬墓地のプレートに刻まれたのは、昨年12月のこと。力強い文字は井上治代の書によるものです。
 今年も満開の桜の下で、仲間が集い、ともに語り合う大切な日がやってきます。あなたが生きたこと、私が生きていることを、桜はいつも見守っていて、春になると、忘れずに花を咲かせてくれます。そのさまは、なぜか「あの世」を思わせるのが不思議です。
 2年前に逝った友人も桜が大好きでした。いっしょに裏山を歩いた仲間とは、この時期になるとどちらからともなく連絡を取り合い、裏山歩きをします。
 町田では2月中旬、河津桜が咲きはじめました。ヤマザクラやエドヒガンザクラ、ソメイヨシノの開花時期が気になる頃となりました。今年も桜の花の下に集い、上野千鶴子さんを囲んで、今を生きるためのあれこれを語り合いましょう。お待ちしています!



  エンディングセンター全国「桜葬」ネットワーク  住職日記

温暖化と環境保護/千葉 真光寺住職 岡本和幸
 今冬は暖冬です。一月だというのに、トウキョウサンショウウオの卵塊があったり、アメンボが泳いでいたりします。今冬は羽虫やハエが飛び続けています。節分にはゆきやなぎと沈丁花が咲き始めました。暖かいのは過ごしやすくて良いのですが、不思議な出来事が多くて気持ち悪くなります。専門家によれば連鎖絶滅が心配だとか。つまり花が咲いたときにその花粉を運ぶ虫がまだ活動していないと実をつけることができず、その実を食べる生き物が絶滅するといった具合に、生態系のバランスが崩れることで次々に種が絶滅していくことを危惧しているそうです。連鎖絶滅の最後は人間です。  一方真光寺が里山再生活動をしている谷津田のあたりは、土砂採集場の拡張で危機が迫っています。山が削られ、谷が埋められ、湧き水は断たれ、生き物が住めなくなります。ある程度まとまった保護地域がなければ、生きていける生物の数は限られてしまいます。温暖化対策、環境保護、皆が本気にならないと手遅れになります。
千葉県袖ヶ浦市川原井634 電話/0438-75-7414

樹木葬に集う夫婦/千葉 天徳寺住職 二神成尊
桜 天徳寺は外房にある。東京から特急で1時間20分、そこからタクシーで15分。樹木葬の会員の多くはいわゆる東京50キロ圏内に住むため、寺まで2時間以上かかる。それでも年に一度はやってくる。房総はこれから花、竹の子、海と観光シーズンに突入する。樹木葬会員の半数が夫婦での生前契約。夫婦あるいは子や孫を引き連れて御宿や勝浦、鴨川の温泉宿に泊まり、保養を兼ねて植えた樹木の成長を見に来る。海岸近くの風光明媚な場所に墓石の霊園がある。バブル期に首都圏の人が生前こぞって買ったらしい。しかしまだ骨が入ってないその地を訪れることはない。樹木葬地と違い閑散としている。
 私は見学者に「ここを房総の別荘、未来の故郷と思って楽しんで欲しい。生きている内に楽しんでください。それができなければ、ただ単に遠くて不便な墓所でしかないですよ」とアドバイスをする。
 樹木葬は故人の追悼と山林保護とさらに娯楽を提供する場所となってきた。私は訪れる子どもたちのため、裏山の杉でシーソーを作った。竹馬も用意した。次はブランコ。くすのきにツリーハウスも作ろう。夫婦のためにはお勧めの温泉宿と食事どころや定年移住のための土地や古民家探しをしているところである。
千葉県いすみ市大原山田1886 電話/0470-66-1258
(写真/住職手作りの4人乗りシーソー)

釜ヶ崎の人々の葬送/大阪 大蓮寺住職 秋田光彦
 日本最大のドヤ街・大阪の釜ヶ崎はよく知られていますが、同時に多くの人権ボランティアが活躍する現場でもあります。以前より野外生活を強いられる人も多くいますが、最近は手厚い施策も働いて、生活保護受給者が増えているとか。今後の支援目標は、むしろ「居宅支援」にシフトしつつあるといいますが、その分、一人一人の生活や終末期の問題が浮かび上がってきます。
 先日、旧知の活動者たちが「生活保護受給者のお墓」について相談に来られました。受給者の多くが高齢化しており、葬送は身近な問題である。多くの人々が仏式の葬儀や墓を希望するが、それを実現する道がなく、大半は市営の無縁墓に埋葬されている。故郷に家族はあっても、まず家の墓には帰れない。何とか受け入れる合同の墓が設けられないか、という趣旨でした。少子化とは別の意味で、いわば家族を喪失した釜ヶ崎の人々の葬送のありかたは、深刻な事態となっているようです。  ここで家族の役割を担ってるのは、多くはNPOやボランティアの人々です。「死んだら墓に埋めて、供養してくれ」という老いた人の最期の言葉を、誠実に、引き継ごうとする普通の市民がいます。無名の死者を悲しみ、悼み、供養するのは、この縁ある人々の「慈悲」の行動なのだと思います(ちなみに活動者の中には、普通の主婦もいました)。それは、ことさら釜ヶ崎だから生まれたわけではないでしょう。
 合同墓については、いろいろなアイデアが出ました。実現するには数年の時間を要するかもしれません。が、エンディングを巡るこれらの人々の感覚が、オーバーな言い方かもしれませんが、これからの共生の社会づくりのいちばんの基層を成すことを実感した出来事でした。
大阪市天王寺区下寺町1-1-30 電話/06-677-0113

春に想う/神奈川 成就院住職 鳴海善通
 今年の春は、節分から始まった。
 「鬼は外 福は内」と唱和し、参詣者と豆をまく。節分の翌日の立春は、二十四節気の一つである。まさに今年の春は、古い暦に従って、訪れた。
 地球の温暖化のせいばかりではないだろうが、境内にある河津ざくらは今が盛り。
 「年々歳々花相似たり」どんなに寒い冬を過ごして来ても、草木は春の兆しを覚え、花を抱くことを忘れない。
 しかし、「歳々年々人は同じにあらず」
 だから私は、その命を花や樹々に託したい。ここに一冊の本をひも解く。桜を愛し、良寛を愛した名僧の遺作。桜色に染められた表紙に記された題名は「さくら道」
 「前つ世もまた先つ世もさくらみち」夢庵良恒
 神奈川県茅ヶ崎市甘沼473 電話/0467-52-6704

百草の会/山口県萩市 宝宗寺住職 三上隆章
 宝宗寺樹木葬では、契約者の親睦と墓地の環境管理などのために「百草の会」という会を作っています。会長さんには、樹木葬の構想段階から支援していただいて、住職夫婦に欠けている面を会社員としての経験を活かしてサポートしてもらっています。
 樹木葬の生前契約の方は正会員(年会費八千円)として入っていただくことになります。その他にも樹木葬に賛同してくださる方が賛助会員(年会費三千円)として入会されています。
 百草の会では、合同供養祭の「馥林祭」の協力や親睦会の開催、境内の花植え、会報の作成、講演会の開催などが現在の活動です。
 今後、樹木葬・桜葬の普及と里山保全のために、竹の有効活用を図っているNPOと協力し合っていこうと思っています。
山口県萩市福井上1927 電話/0838-52-0521

春を待つ桜たち/鳥取 正福寺住職 渡辺大修
桜 墓苑では、冬桜が最後の花を見せていますが、枝垂桜、八重桜、ソメイヨシノ、大山桜は暖冬のためか、すでに花芽を大きくして開花の瞬間を待っています。  この桜たちが競演する前に、墓苑一帯を甘い高貴な香りで満たしてくれるのが桜桃です。すでに蕾は大きくふくらみ、そろそろ開花する気配です。それに続いて彼岸桜が山門を淡紅に染め、墓苑の桜たちを促すのです。
 そしていまは、墓苑の周囲を囲むように沢山の実生の藪椿が咲き誇り、落椿が地を彩っています。梅も開き、その香を放って早春の陽に輝いています。
 いよいよ花たちの季節の到来を感じさせる日々となりました。
 ところで、毎日のように殺人、自殺、事故死が報じられ、また孤独死や保険証を取り上げられての手遅れによる病死など、あまりにも理不尽な死が多すぎます。
そのうえ「不正義」の戦争で、イラクでの死傷者は増すばかりです。そして日本は、「戦争を放棄」したはずなのに、自衛隊が海外任務を本来任務とし、「憲法改正」を首相が公約するまでになっています。
春待ちの墓苑に佇てば、花木たちの静かな語らいが、「もっと確かな平和と安心の大地に花を咲かせたい」と聞こえてくるのです。 2月17日、大山の麓、正福寺より
鳥取県西伯郡大山町茶畑238  電話/0859−54−3860
(写真/開花間近な桜桃の蕾)

真光寺里山葬の概要
 真光寺では縁の会を発足し、縁の会里山葬を提案します。里山葬とは真光寺が提案する生前個人墓、永代供養墓です。縁の会に入会されますと、曹洞宗のお戒名をお授けします。そのお戒名をお位牌に記し、真光寺の新しい伽藍「観音堂」(建設中)におまつりし、没後33年間の永代供養をお約束します。埋葬する場所は二種類あり、一つは森の苑(にわ)、もう一つは(仮称)桜の苑(にわ)です。
森の苑(にわ)はいわゆる樹木葬墓地です。区画は4.5uで、20cm角の縁の碑(いしぶみ)にお名前を記し埋骨の目印にします。区画内には指定された低潅木あるいは一年草を植えることができます。記念樹は特に設けず、年2回植樹祭を行い、専門化が指定した山の木を会員皆さんで植えていきます。花木なども混ぜながら、本当の房総の里山に戻していく計画です。森の苑(にわ)の入会志納金は60万円で、納骨までの一切が含まれます。縁の会入会を条件とし、同区画に何人でも埋葬できます。2人目以降の入会志納金は40万円です。管理費、里山再生支援金、通信費として毎年8千円お願いしています。
桜の苑(にわ)は真光寺の桜葬墓地で、合葬墓の形式です。森の苑(にわ)の一画に設けられた石庭で、周りに桜の木が植えられています。(建設中5月頃完成予定)石庭には縁の碑(いしぶみ)がありお名前を記します。ご遺骨はすべて桜の苑(にわ)に埋葬するか、一部を33回忌まで観音堂に埋葬するかを選ぶことができます。志納金は50万円です。管理費、里山再生支援金、通信費として毎年8千円お願いしています。
詳しくは真光寺までお問い合わせ下さい。パンフレットを送付します。

編集:エンディングセンター桜葬プロジェクト 発行:井上治代