桜葬通信10 July 2007 vol.10

 桜の下で――
 第2回桜葬メモリアルに310人が集いました

参加型でつくる私たちの集い
 第2回桜葬メモリアルにお集まりいただきありがとうございました。ゲストの皆さま、そして実行委員、スタッフとして会の運営に力を発揮してくださった33名の皆さまにも感謝!の気持ちでいっぱいです。
 第3部の交流会閉会後、2部で読経をしていただいた望月昌光住職のお寺(川崎市・善正寺)で合宿させていただき、実行委員の反省会を行いました。実行委員以外の参加者は、韓国からのお客様、張萬石(チャンマンソク)さん、京都から博國屋の山崎周亮さん、北九州から小出眞理子さん、そして碑文谷創さん、望月住職。話題はどんどん広がり、どうなるんだろうの瞬間もありましたが、楽しい会でした。昨年の第1回桜葬メモリアルの参加者160名、今年はその2倍!310名の規模となり、来年の開催方法に関して、また合同慰霊祭と「宗教」について、さまざまな意見とアイディアが出されました。来年はさらに充実した会になりそうです。

新しい桜葬墓地計画も協働で
 おかげさまで、エンディングセンター桜葬墓地の個別区画は完売となりました。共同区画も残りわずかとなっています。にもかかわらず、毎月開催している見学会は毎回満席。見学会の日にスケジュールを合わせるのが難しいという方々が毎日のように町田事務所にお越しくださっていて、新しい桜葬計画への期待を日々実感しています。
 現在、第2、第3の桜葬墓地を開設予定で計画が進行中です。これらの計画は、東京大学大学院景観研究室の学生さんたち(指導教授は内藤廣さん、リーダーは特別研究員の川添善行さん)が設計を担当し、町田いずみ浄苑の大沼さん、施工業者さん、エンディングセンター事務局の協働により検討を重ねています。
 もともとの里山にあった樹木を中心に、周囲の自然とマッチした植栽による、新しいかたちの桜葬墓地です。シンボルとなる木はもちろん、桜です。

  エンディングセンター全国「桜葬」ネットワーク  住職日記

真光寺桜葬/千葉 真光寺住職 岡本和幸
 今春は境内全域に14種類、約100本の桜を植えました。これまで植えたものと合わせて約250本の桜を植えたことになります。桜は変異種が多いことで有名で、一説には500種といわれるほど、実に様々な種類の桜があります。秋と春の2度咲く冬桜系のもの、早春に咲く河津桜などの寒桜系のもの、ソメイヨシノをはじめとする陽春に咲くもの。晩春に咲くものなど、咲く時期も幅があり、八重桜、しだれ桜、花や木の形状も様々で、菊桜といって花びらが100枚あるめずらしいものもあります。花色もいわゆるピンク系、白系にわかれていますが、それぞれ微妙な色合いの違いがあり、さらには寒緋桜という赤い桜から、緋紫系、ウコン桜という黄桜系のものもあります。アメリカで品種改良されたその名も「アメリカ」という桜もあります。これからも様々な種類の桜を植えていきたいと思っています。
 真光寺では誰もが納得し安心できる真光寺桜葬の準備を試行錯誤しながら進めています。新伽藍の建設も順調に進んでいます。秋には詳しくご案内できるかと思っています。
千葉県袖ヶ浦市川原井634 電話/0438-75-7414

樹木葬運営の理想と現実/千葉 天徳寺住職 二神成尊
 初めは里山にコナラやクヌギ等の大木を、下には墓標としての低木を植える理想があった。実際に開園すると、契約者や遺族の希望はハナミズキやヤマボウシなどの高木に集まる。時には指定外のマルメロやミモザやユーカリ、キンカンやリンゴの木等を埋葬当日に突然持ち込まれたりもする。これらは日本の里山にはない木だろうと苦笑い。また目立たない程度の木製墓標の指定なのに埋葬当日、規定より大きい墓標やステンレス製を用意してくる場合もある。さすがにステンレスは拒否。しかし「せっかく故人のために用意したのに」という思いに水を差してしまったことに、心が痛む。
 埋葬時に苗木のまわりにパンジー等を植える人もいる。遺族自ら土を触り墓所を飾ることはかなりの癒しとなる。しかし樹木葬地の風景は都会型ガーデンの霊園に似てくる。里山再生に重きをおく契約者からは不満が出る。わたしは「10年もすれば苗木は大きくなり、パンジーや大きすぎる墓標なんて目立たなくなりますよ」と、苦しい言いわけ。
 遺族の癒しと里山再生という理想の両立は難しい。
千葉県いすみ市大原山田1886 電話/0470-66-1258
(写真/住職手作りの4人乗りシーソー)

葬儀とビジネス/大阪 大蓮寺住職 秋田光彦
 大蓮寺・エンディングを考える市民の会恒例の「エンディングセミナー」が、今年も7月に、「最新・葬送の2007年問題」と題して、3回にわたって開催されます。
 じつはこのセミナーの開催には、葬儀サポートセンターという葬儀の相談ビジネスの会社の人的な協力をいただいています。この会社、母体は東京のIT会社で、社長は20代後半で起業した若者…というと、ホリエモン的ビジネスを連想してしまいそうですが、実際はなかなか誠実で、しかも「社会的意義の高いビジネスを手がけたい」というミッションを掲げた優良な会社です。
 03年から葬儀相談に特化した電話相談を開始、今年5月までに7667件の相談を受けた実績を持ちます。そのうち2205件の葬儀のサポートを手がけて(葬儀社の選定、見積もり、立会い等々)そのロイヤリティを葬儀社から得るという仕組みです。当然24時間、365日相談対応ができ、葬儀社の評価や遺族の方の事後のケアなどじつにきめ細かなサービスを行っています。「ブラックボックス」といわれてきた葬儀業界に、第三者の立場から、情報公開、説明、評価などの新しい価値を浸透させようという画期的な試みといえます(最近は同業の会社がネット上にあふれているようですが)。
 「死の個人化」の時代、葬儀にもしっかりした透明性が必要とされています。お金のことだけでなく、人材やサービス、ホスピタリティといった高い価値がますます求められていくことでしょう。それは、むろん私たち宗教者も例外ではありません。
 ビジネスの手法を用いて社会改革に取り組む企業を、ソーシャル・エンタープライズといいます。「死」という人生最大の福祉問題から、彼らがどのような社会的意義の高い敬意あるビジネスを生み出していくのか、葬儀サポートセンターの若者たちの先駆的な事業に、期待を感じています。
大阪市天王寺区下寺町1-1-30 電話/06-677-0113

うれしいお便り/神奈川 成就院住職 鳴海善通
 「新緑が目にしみる頃となりました。先日は、ご住職自らめずらしい草木をご案内下さり、姉の記念樹となりました大山レンゲの若樹とも対面できましたこと、とても感激いたしました。
 参拝の記念として快くお書きいただいたご朱印と、ともにいただいた好物のふりかけが大変うれしく、重ね重ねありがとうございました。本当によい日を過ごさせていただき、同行の友達と『今日はいい日だったわね』と言いながら、感謝の気持ちいっぱいで帰路につきました。またいずれ、おたずねできます日を楽しみに、急ぎ御礼まで。 かしこ」
 これは、4月のある日、成就院においでになった方からのお便りです。この方は、ご自分の入院中に姉上を亡くされ、成就院の樹木葬の墓地に埋葬されたことを知り、お参りに見えたのでした。後日、このような便りが寄せられ、住職として、心あたたまる思いを味わいました。
 今、境内は萩が数株咲きはじめております。
 神奈川県茅ヶ崎市甘沼473 電話/0467-52-6704

美しい風景とゆったりしたスペース/山口県萩市 宝宗寺住職 三上隆章
 桜葬の植樹祭をして2年がたちました。その間、樹木葬のほうは順調に契約がありましたが、共同墓所の桜葬は1件のみでまったく問い合わせもありませんでした。それで、思い切って共同桜葬のまわりを整備して、桜葬個人墓地を作りましたところ、早速契約があり、また関心を寄せて見学に来られる方が増えました。やはり都会とは意識が違うと思いました。
 5月27日には井上先生に宝宗寺で講演をお願いしました。東京のエンディングセンターの方々もお越しくださいまして、辺鄙な会場にも拘らず盛会で喜ばしいことでした。
 宝宗寺は、交通の便が悪いので、美しい風景とゆったりしたスペースをお望みの方に、のんびりとお越しいただく方向で、これからの樹木葬をやっていきたいと思っています。今、新緑と鶯の声を満喫していただけます。どうぞ観光がてらお越しください。
山口県萩市福井上1927 電話/0838-52-0521

平和を祈る桜たち/鳥取 正福寺住職 渡辺大修
 当寺院の桜葬墓苑には、しだれ桜、八重桜、ソメイヨシノ、大山桜、冬桜の5本が植樹され、今春も見事な花を咲かせ、来苑者の心を和ませてくれました。いまは葉桜となり、桜の下の苔とのコントラストが落ち着いたハーモニーを醸しています。
 そして、墓苑の背景には荘園造りの土塁が残り、数百年の椎の大樹が茂り、山紫陽花が可憐な彩りを添えています。  隣接の樹木葬墓苑にも花木が増え、蝶や鳥たちの楽園になってきています。早朝、囀りに目覚めさせられますが、時折、見事なキジやキジバトが散歩にきます。
 この6月には、当寺院の本堂で絵画の個展を開いています。桜葬・樹木葬に惹かれ縁を結んでくださった神田禿山さんの作品です。氏は、日本美術会会員で、「憲法九条を守る美術の会」の呼びかけ人でもあります。個展の題名は「大山・平和の祈り」とあり、霊峰大山の麓の寺院に相応しい企画です。また、当寺院には、安里清重氏の写真「大山の四季」8点が常時展示されています。昨秋には「シタール演奏会」を開くなど、地域に文化の香りを発信しています。
 こうして微力ながら、「平和と安心」の桜葬・樹木葬寺院としての研鑽の日々を綴っています。読者の皆様のご助言をお願いいたします。
(6月7日、大山の麓、正福寺より)
鳥取県西伯郡大山町茶畑238  電話/0859−54−3860


編集:エンディングセンター桜葬プロジェクト 発行:井上治代