桜葬通信11 October 2007 vol.11

 お待たせしました!
 新しい桜葬墓地は、完成間近です。

 2005年4月に完成したエンディングセンター桜葬墓地は、個別区画250、共同区画100のすべてが契約済みとなりました。この墓地には、エンディングセンターの前身である会の名称「21世紀の結縁と葬送を考える会」に因み、「エンディングセンター桜葬En21」と命名しました。
 そして、En21のすぐ近くに、フジザクラ、サトザクラ、ヤマザクラを中心にオガタマノキ、シャクナゲなどの木立に囲まれたエリアが、近く完成予定のエンディングセンター桜葬墓地「木霊(こだま)」です。
 詳細は秋のミニシンポのなかで発表します。(6ページ参照)
 エンディングセンターが企画し、東京大学景観研究室が設計を担当しました。運営主体は宗教法人観泉寺、利用できるのはエンディングセンターの会員です。予定している350区画のすべてが個別区画で、1人用、2人用、ファミリー用の3タイプ。期限なしの永続使用です。承継者がなくても、そのまま美しい状態で守られます。桜の下で眠る樹木葬、遺骨は土に還ります。宗教は自由です。年1回、桜の咲く頃に皆で合同慰霊祭を行います。
 費用は、1人用が使用料40万円、2人用は70万円(2人まで追加費用なし)、ファミリー用は100万円(3人まで追加費用なし。5人まで使用できますが、4人目以降は1人20万円)を契約時に支払います。使用料には管理費が含まれます。募集開始は10月21日の見学会以降を予定しています。


  エンディングセンター全国「桜葬」ネットワーク  住職日記

「無欲」という視点から生を見つめる
 千葉 真光寺住職 岡本和幸
 最近親しい方を亡くし、初めて喪主を務める機会を得ました。人の死に様はさまざまですが、いきなり逝くよりは、少しは準備ができるほうがよいだろうと思っていました。しかし死とは逝く人にとっても、送る人にとっても、まったく理解不能なものであり、双方共に「死の準備」とはそれを突きつけられる以前よりさらに一生懸命に生きることでした。人が生きるということは生きるという欲を満たすことだとよくわかりました。葬送儀礼も、故人と遺族、関係者の欲を満たすことをエンジンにしてどんどん突き進んでいきました。一段落した今「無欲」という視点から生を見つめる仏教の思想を紐解き、改めて「生」と「死」を考えています。
 ようやく準備が整い、9月より本格的に真光寺の樹木葬と桜葬のご案内をはじめます。
   千葉県袖ヶ浦市川原井634 電話/0438-75-7414

杉の伐採と杉の利用
千葉 天徳寺住職 二神成尊
 この秋から第3区画を開くため杉山の伐採を始める。ゴルフ場整備のように大型重機を使い、杉を根こそぎ取り除くようなことは樹木葬の理念に反するから、檀家で製材所に勤める70代の人と一緒にわたしがチェーンソーで挑む。杉の根は残す。大きな杉の場合は切り株も残す方法。切り株は椅子となる。その合間に雑木植林することになる。
 今回は直径4メートルの大きな区画も用意し、山桜やコナラやクヌギ等の植樹を認めることにする。ただし費用は高くなる。今までの樹木葬地は最初から空地を利用したものだったが、首都圏の杉山を雑木山に変えるモデルとして、樹木葬の真価が発揮される。
 ひとつ問題がある。伐採した杉の引き取りにはお金がかかるということ。そのため伐採した杉は業者に頼まず、自力でその場で加工してその場で使用するのが最も理想的。遊歩道用や土止めの杭となる。休憩施設等にも使用できる。ただし丸太のままだからログハウス形式。もちろんわたしと会員で作る。あまり見栄えの良いものではないだろうが・・・。
    千葉県いすみ市大原山田1886 電話/0470-66-1258
(写真/天徳寺の杉)

應典院再建10周年
大阪 大蓮寺住職 秋田光彦
 大蓮寺の塔頭、應典院が再建されて今年で10周年になります。次のような記念事業を開催していますのでどうぞお越しください。
9月24日(月・祝) 寺子屋トーク第50回「市民の時代のスピリチュアリティ」
 島薗進(東京大学教授)をメインゲストに、 大阪大学・同志社大学との共催により、「公共宗教」の観点から、10年間50回にわたって提供してきた市民との対話や交流の場の総括を行います。
10月8日(月・祝) 應典院コミュニティ・シネマ・シリーズVol.11「終りよければすべてよし」
 「高齢社会をよくする女性の会・大阪」との協力で、羽田澄子監督最新作「終りよければすべてよし」の上映と、桜井隆医師(さくらいクリニック院長・尼崎市)による終末期医療の講演会を開催します。
10月10日〜14日 野寺夕子写真展「遺影、撮ります」
10月26日〜25日 船井美佐作品展「彼方へ(仮称)」
11月10日(土) 應典院再建10周年記念式典 【完全招待制】
11月11日(日) 南雲由子卒業制作展遺影撮影会
11月21日(水)<予定> 平田オリザ「演劇で学ぶ!ワークショップ授業」小学6年生を対象に、「わたし」とは何かを再発見することが目的。
11月23日(金・祝) 日本アートマネジメント学会全国大会プレ企画「アートが変える<まち>の風景」
11月24日(土) 日本アートマネジメント学会第9回大会「パートナーシップ・複雑系」
 大阪市天王寺区下寺町1-1-30 電話/06-677-0113


夏の終りに
神奈川 成就院住職 鳴海善通
暦の上で立秋を迎えた頃、やっと今年の夏は動き始めた。残暑とは思えない鮮烈な夏の陽射しを受け、仏教の諸行事も始まる。
 聖地インドでは、自然は更に強烈に、私の想像を超えているのだろう。安居(※)で激しい雨期をやり過ごした僧たちは、災害の犠牲となった生命の総供養を営み、宗教活動の第一声をあげるのである。
 人間の救済を説いた仏教も、その活動は更に自然と一体にある。
 送り盆の法要も終えた或る日、友人が酒を持参してたずねてくれた。
 "日本酒 千の風"のラベルに少なからず驚いた。昨今多くある便乗商法かと思ったからだ。しかし、日本酒「千の風」誕生のしおりを拝見して再び驚き精読した。
 この酒は、新井満氏と故人の夫君、小学校時代の同級生の発案に依り造られ、故人に献じられた逸品であった。
 一献盃を重ねる程に、五体をめぐるこの混じりけのない酒に心は洗われ、格調高く送り盆の夜はふけていった。
 二十四節季の処暑を迎えた昼下がり、高輪のラウンジ"ヴァンダンジュ"の庭園をゆく風は木々を抜け、池の水面に小波をみせていずことなく去って行く。
 大空に住する者たちのメッセージは、四季に応じ千変万化し、私たちに運ばれて来る。
 まもなく彼岸の訪れとともに、深まりゆく秋を知る。
 ※安居(あんご/仏教用語) 僧が夏一ヶ所にこもって修行をすること。
神奈川県茅ヶ崎市甘沼473 電話/0467-52-6704
 (写真/鳴海善通住職)

今年の夏
山口県萩市 宝宗寺住職 三上隆章
今年は特別暑い日が続きました。宝宗寺は冷房の為のエアコンはほとんど使うことがありませんのに、今年は欲しかったです(宿泊用室にはありますが本堂にはありません)。桜葬墓地の周囲に植えたサツキの苗が水不足で、枯れそうだったので水撒きがしたかったのですが、山の上なのでホースで水撒きができません。そこで、容器に水を汲んでトップカーで持って上がって如雨露(じょうろ)で撒きました。雨が降って欲しいですね!夏の終わりはいつもダウンしていますが、今年は暑さに負けず乗り切りたいと思っています。
? 夏の宝宗寺は草に埋もれていますので、あまり絵になりません。今回の写真は萩市のお隣の長門市の海岸です。ここは湯本温泉もあり、お泊りには良いところです。宝宗寺より車で40分ぐらいのところ。萩市にも「菊が浜」という同じような景色の海水浴場があります。
  山口県萩市福井上1927 電話/0838-52-0521
  (写真/ 長門市 海岸風景 )
  
祈りの8月
鳥取 正福寺住職 渡辺大修
8月は、広島、長崎の原爆忌、終戦記念日、そしてお盆と祈りが続きます。
 私は、7月28日の大山口列車空襲忌の供養に続いて、29日から連日、近隣寺院の施餓鬼供養に参加し、当寺の8月7日まで供養が続きます。そして13日まで棚経、14・15日が初盆のお参り。16日は正福寺境内で、精霊たちを送る盆踊りがあります。
 桜葬・樹木葬の合同納骨は春彼岸に続いて8月13日にも行いました。今回は10霊を納めました。桜葬・樹木葬の初盆や先祖供養も行い、盆踊りでお送りしました。
 この三週間は、祈りの連続でしたが、お盆には、桜葬・樹木葬墓苑の見学者の皆さんのご案内もさせていただきました。来苑の皆さんにとっては、蝉時雨と大樹の木陰に吹く涼しい風に、極暑を忘れる一時でした。(8月22日、大山の麓、正福寺より)
  鳥取県西伯郡大山町茶畑238  電話/0859−54−3860
  (写真/ 先祖供養の盆踊り)



編集:エンディングセンター桜葬プロジェクト 発行:井上治代