桜葬通信13 March 2008 vol.13

3月29日(土)  桜の下でお会いしましょう。
第3回桜葬メモリアル(合同慰霊祭)

今年も桜が咲く春が、すぐそこまで来ています。町田では、毎日鳥たちがコーラスをしています。 「桜の花の下で、生と死と生前準備を語ろう」をテーマに、今を生きる私たち、桜葬墓地に眠る人たちがともに語りあい、祈り、これからを生きていくエネルギーを分かちあう集いです。今年の桜葬メモリアルは、キリスト教の礼拝と、仏教の法要、献奏、献灯、献花を予定しています。
 今年も桜の花の下でお会いしましょう。 一つご報告があります。「桜葬」の名称(墓地)は、特定非営利活動法人エンディングセンターの登録商標として、特許庁から認定を受け、正式に登録されました。

  エンディングセンター全国「桜葬」ネットワーク  住職日記

タイの葬送事情
千葉 真光寺住職 岡本和幸
 先日タイ国のチェンマイという所で樹木葬を見つけました。現在タイでは中国人を除いておおむね火葬をするそうです。タイ特有の寺院建築に大きな煙突が出ていればそれは火葬場です。その火葬場のまわりには広い場所があって、一般的なタイ人は火葬後すぐに、その広い場所に遺骨を埋めて、木を植える簡単な埋葬をするそうです。実際に見たわけではないのですが、言ってみれば樹木葬のようなものかもしれません。真実のさとりを開くには肉体は邪魔であるとする仏教原理主義からすれば、上座部仏教信者であるタイ人が肉体やお骨に固執しないのはもっともなことです。
 同じタイ人でも中国系の人たちは亡くなった時の姿のままあの世に行くという中国的な思想を引き継ぎ、肉体をそのまま埋葬する土葬を好みます。あの世もこの世と同じようにお金が必要だと考え、お正月やお盆には紙でできたお金や車などを燃やしてあの世に送るという習慣もあります。
 民族が交錯する東南アジアでは国や民族により死後観や葬送方法が異なります。もちろん時代によっても。ゆっくりリサーチしてみたいものです。真光寺の新しい伽藍は4月に完成します。
  千葉県袖ヶ浦市川原井634 
電話/0438-75-7414

セルフ葬
千葉 天徳寺住職 二神成尊
 葬儀社を使わずに遺族が葬儀を取り仕切る形態をわたしはセルフ葬と呼ぶ。先日、それに近い葬儀をした。夫を亡くした妻が望んだからだ。運よく遺族はワンボックスカーで病院にいたから、布団を近くの店で買わせ、車に敷いて遺体を乗せるよう電話でアドバイス。市の葬儀場が使えないため、1時間以上かかる天徳寺に向かわせた。
 遺体を観音堂に布団ごと運びこみ、祭壇代わりに須弥壇の前に安置した。
 関東で大雪の日だったので、遺体が腐敗する心配もない。
 次に遺族に隣町の葬儀社で安価な棺桶と骨壺(3万4千円)と切り花を買わせた。本堂から葬儀用に仏具と椅子20脚を運び、花を飾らせた。身内のみの葬儀なので、案内板も記帳道具も白黒の幕もない。近くの写真屋で免許証の写真をはがきサイズに拡大(2千円)してもらった。また、市役所で火葬許可書を取らせた。これで準備完了。「観音様の前ですが無宗教葬で構いませんよ。後は自由に弔ってください」という私に遺族はお経を依頼した。寺が会場となったからか、わたしが采配を振ったからか。
 通夜で一緒に観音経を読み、セルフ葬の意味を法話とし、お茶を飲んで解散。身内だから通夜振る舞いはなし。葬儀では読経後に故人の人生のこと、生死の意味を話し、皆で棺桶に遺体を納め、遺族の車で火葬場へ向かった。火葬中、コンビニのハンバーグ弁当を食べ、火葬終了。そこで一同解散となった。遺族で作った葬儀だったが、旗振り役のわたしがいないとそうはいかないのだろうか。とにかく寺へのお布施込で経費は35万円なり。
千葉県いすみ市大原山田1886 
電話/0470-66-1258

帰敬式
大阪 大蓮寺住職 秋田光彦
 毎年、3月彼岸の日曜日、当山では生前個人墓に申し込まれた会員さんを対象とした仏教道場「帰敬式(ききょうしき)」を開催します。会員さんはいつでも無償で受けることができますが、すでに7割以上の方が修了されています。戒名とは、仏弟子となった証。とかく死後お金を払って買うものとの誤解がありますが、当山では先に戒名を授けてその後、帰敬式をいつでも受けることができます。全部で5時間の半日道場ですが、それでも初めて聞く仏教の講話や本格的な念仏礼拝行などに会員さんはみな驚きつつも、感激されます。また、このお寺と縁あってよかったと喜んでいただきます。
 生前にお墓と縁を結ぶ際は「宗派不問」でも、次第に関係が深まれば、どなたもやがて宗派の教えにも興味が湧きます。回向するのにお好きなお経でどうぞ、というわけにはいきません。やはりわれわれ僧侶には依って立つ宗義というものがあるはず。少なくとも浄土宗の場合は、それをしっかり届けてこそ、来世の仏を約束することができます。生前にご縁を得たからこそ、仏法に学ぶ大切な機会を提供していきたいと思います。
 年3回だけの合同供養会でも、帰敬式修了生たちが朗々とお念仏を唱えてリードしてくださいます。今年の帰敬式(3月23日)も楽しみです。
 大阪市天王寺区下寺町1-1-30
  電話/06-677-0113

桜の蕾
鳥取 正福寺住職 渡辺大修
 往く影の呼べば谺のなごり雪
 2月初旬、ソメイヨシノの下に納骨が行われました。折りしも、春の雪が強く降ってきましたが、ご遺族は、しばらく佇んで故人様を偲んでおられました。そうして、桜たちのたくさんの蕾は、優しく納骨を見守ってくれていました。
 今年の開花は少し早めとの予報で、桜桃は2月の20日頃、桜は3月27日頃となっています。
 いまは、墓苑を取り囲む実生の藪椿と白梅の老木が、赤と白の色の競い合いを演じています。
 そして、墓苑の借景、霊峰大山は神々しいまでに白く輝き、日本海は荒々しく白波を立てています。しかし、桜たちの蕾はもちろんのこと、樹木葬墓苑の樹々やアンネのバラたちは、しっかりと花芽や蕾を育て、春はそこまで来ている感を強くしています。
 桜葬や樹木葬の会員さんは、いま東京から沖縄までと広い地域から縁を結んでいただいています。
 沖縄から視察に来られた方のお話では、沖縄は亀甲墓という大きなお墓だそうで、樹木葬のことはまだあまり知られていないとのことでした。基地の危険なことも聞きました。
 「命どう宝サー」冬星仰ぐ亀甲墓  デイゴの芽襲われ潮の荒ぶる日
 春待ちの墓苑に佇ち、花木たちとともに、「安心と平和」を静かにお祈りしています。
 2月15日、大山の麓、正福寺より
鳥取県西伯郡大山町茶畑238
  電話/0859-54-3860

編集:エンディングセンター桜葬プロジェクト 発行:井上治代