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相続手続Q&A・第3回 「20年会っていない伯母の遺産」

相続するか、放棄するか

先日の相続手続きの事例をご紹介します。配偶者もいない、子どももいない、ご両親もいない女性の事例です。この場合の相続人は、兄弟姉妹となります。ところが兄弟姉妹も先に亡くなっており、唯一「姪」が1人だけ。ご相談者はこの「姪」の方でした。
この場合、相続手続きを行うときに非常に気をつけなければいけないことは、当事者である伯母の「借金」についてです。もう20年も会ったことがない伯母の相続手続きですから、財産状況や生活環境など、知るすべもありません。最初にご相談にいらしたときは、通帳と年金手帳のみをお持ちで、それ以外はどこにあるかわからないという状態でした。
相続の手続きを行ううえで、まず必要なことは、財産を相続するか放棄するかを、亡くなったことを知った日から3カ月以内に決定することです。3カ月と聞くと、非常に「長い期間」と感じますが、四十九日法要が終わる頃には、ほぼ2カ月が経過しようとしている時期です。そこから相続放棄の準備をしていくと、3カ月の期限に間に合わない場合があります。
今回の被相続人には、「借金」がないようでしたので、相続手続きを進めていくことにしました。そこで、通帳履歴を確認すると、公共料金の引き落としや、保険会社への保険料支払い、株式の配当金の受け取り、知らない方からの継続的な入金など、次から次へと「相続手続き」の手がかりが出てきました。また、伯母の郵便物の転送手続きも行ったおかげで、固定資産税の支払い通知が届き、賃貸マンションを所有していたことも判明しました。知らない方からの継続的な入金が、この分であることがわかりました。最終的に、財産状況が明らかになるのに、半年はかかりました。
総財産は1億5千万円ほどになり、亡くなってから10カ月以内に行わなければならない「相続税の申告」も必要とわかり、無事に相続手続きを完了することができました。
ただ、私の中で、一つだけ心残りであったのは、「伯母の気持ち」として、「本当に、姪に相続させたかったのか」という事実を知ることができなかったことです。エンディングノート(自分の財産状況や生活環境、終末期に関わる重要なことを書き綴るノート)のようなものや、遺言書などがあれば、亡くなった後でも、その方の遺志は存在することができますし、本当の自分の気持ちを実現することができるかもしれません。
今回は、財産のある方の事例でしたが、「私には財産なんてないので、心配ないわ」という方でも、ご自身の財産なので、分け方や残し方についてしっかりと考えてみてはいかがでしょうか。
まずは、意外と把握されていない通帳の残高から記入してみてください。「あちこちに定期預金をしていて、集めてみるとこんなにも……」なんてお話もよくうかがいます。残された人が困らないために、そして、今輝いている「あなた」のために、エンディングノートを使用して、財産と今の気持ちを整理しておきましょう。
注・エンディングノートに相続のことを書いても法的効力はありません。

相続手続支援センター大阪支部所長 長井俊行

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