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お知らせ
5月13日2020 UP
ダリアの想い出
「ほら〇〇さん、見てください。きれいなダリアでしょう!」
在宅勤務をしている私は、パソコン仕事で疲れると、
気分転換にベランダの植木に水やりをするのが日課。
その中の一つに、これから夏になると咲くダリアがあります。
ダリアといえば、私には目に焼き付いている光景が思い浮かぶ
のです。
「桜葬」墓地がある町田いずみ浄苑には「皇帝ダリア」といって、
11月ごろに咲く丈の高いダリアがあります。以前にエンディング
センターの事務所があった「泉心庵」の南側の崖下あたりに、
「皇帝ダリア」が見事に咲きます。
「〇〇さん、見てください。きれいなダリアでしょう!」
そう言いながらYは、胸の位置でしっかり抱きかかえていたご遺骨を、
凛として咲いている皇帝ダリアの方へ向けました。母親と長いこと二人
暮らしであったXさんが、先に埋葬された母のもとで眠る日のこと。
この埋葬当日、町田の桜葬墓地「詩桜里」には、Yのほかに参列者は4人。
Yも含めてみなエンディングセンターのスタッフでした。
エンディングサポートの契約をされていた会員Xさんがお亡くなりになって、
火葬場で遺骨を拾い、スタッフが抱きかかえて桜葬墓地のある「いずみ浄苑」
までお連れした。数日間安置したのち、埋葬の日を迎えたというわけです。
物言わぬご遺骨を、「まるで生きている」かのように、在りし日のその方を
思い浮かべながら、自然に発したYの言葉。これがエンディングセンターの
「こころ」であると、私は密かに思ったのでした。
エンディングセンターではエンディンサポートを2000年から実施してきました。
他に、サポートの業務をメインに行っている団体がありますが、エンディング
センターの特徴は、生前からの会員活動があってのサポートですので、契約者数
こそ少ないですが、その分、お一人おひとりに思いをめぐらせたサポートができて
いると思います。
まだ、開花には早いけれど、自宅の箱庭のダリアに肥料を上げた日に、ダリアの
思い出を書き記す。